4月12日生まれ・おひつじ座・A型。
好きな食べ物:フランクフルト
嫌いな食べ物:ナマコ・ピーマン
座右の銘:「光の国からこんにちは」
-菅原さんといえばヒーローを描くことをメインに活動をされている印象がありますが、ご本人としてはいかがですか?
菅原:日本を代表するヒーローであるところの<仮面ライダー>や<ウルトラマン>を描かせていただけることは本当に光栄なことだと思っています。放映当時を少年期で過ごした人には、今でも特別な存在ですからね。
資料性豊かな書籍などもたくさん出版されていますし、プロ、アマ問わず詳しい方が多いジャンルです。
でも、私はむしろ意識して、その対極に位置してイラストを描こうと思っています。
-それはどうしてですか?
菅原:どうしても知識に振り回されると、ビジュアルが理屈っぽくなっちゃうんですよ。解説書の説明図じゃないわけですから、イラストとしては魅力的であればそれが一番いいんです。詰め込む情報量が、多くなるとそのぶんだけ突き刺さる力も鈍くなります。逆に少ないほど力を持つんですよ。できるだけシンプルにメッセージを込めています。
-わかりやすさというのは大事ですよねえ。
菅原:はい。作り手って、どうしても複雑にしたがる傾向があるんですよ(笑)。まあ、実際複雑で、難易度の高いテクニックを使っていてもいいんですが、それが見えちゃダメなんです。イラストレーションなら、見てる側が疲れちゃうようなものではいけないということですよ。もし、やるのであれば<葉の裏に千匹の毛虫>的でなければと。最終的にはシンプルに<かっこいい>かどうかだけなんです。ヒーローイラストは、かっこいいビジュアルであることで初めて意味を持つものだと思いますから。
-菅原さんの描く仮面ライダー旧1号のビジュアルなどに特に顕著に感じるのですが、当時の映像と見比べると実は感じが違いますよね?
菅原:(笑)よく言われるんですが、私のイラストを見て、「そうそう!そうだったよなあ!」って懐かしくなって、改めて当時の『仮面ライダー』などの映像を観たけれど、全然違うじゃないか!って(笑)。違うんですよ(笑)。
-どういう意味ですか?
菅原:たとえば初期の仮面ライダーは、こんなふうなポーズはとらないんです。約2年間の番組放映の中で、いろいろなことが形作られていった経緯がありまして、例えば最初は藤岡さん本人が入っていて、大野剣友会の方々のそれとはまた違っていたし、変身ポーズだって無かったわけです。
イラストとして描くなら、当時の子供たちの目にどう映っていたかというところが大事だと思うんですよ。だから私の描いてるヒーローは、当時の<現実そのままの再現>ではなく、あくまで子どもの頃の私が持っていた<イメージの再現>なんです。そのままなら写真で充分なわけですから。
-この夏、ちょうど『菅原芳人計画』とリリースが重なったブルース・リー画集出版についても聞かせてください。
菅原:ブルース・リー画集は私の子供の頃からの夢でした。まず叶うはずないだろうと思っていましたし、あまり他人には話したことないですけど(笑)。今だに実現したのが信じられないくらい嬉しくて光栄なことだと思っています。
-クレジットには、スーパーバイザーにブルース・リーの実娘であるシャノン・リーさんと中村頼永さんの名前が記されていますが。
菅原:この企画を立ち上げ、実現に至る様々な困難をクリアしてまとめあげて下さった、実質的な監修者が中村頼永(*1)さんです。この企画の核となる人物で、ブルース・リーの孫弟子にあたる方です。格闘技の世界では有名な方なんですよ。
(*1)東洋人初のジークンドーシニア・インストラクター。日本で唯一のジークンドー正当継承組織であるIUMA日本振藩国術館代表。初代タイガーマスク=佐山サトル氏認定シューティスト(修斗最高ランク)。USA修斗協会代表。現在もアメリカに在住し、多忙な日々を送る一方、ブルース・リーの遺族や生前の弟子であったターキー木村氏らとも家族ぐるみの交流を続けている。
-そんな格闘技の世界の方が監修をされたわけですか?
菅原:中村さんは勿論、修斗においても最高ランクで、イノサント氏からジークンドーを伝える(正確にはジュンファングンフーを教え、ジークンドーへの道を手助けする)立場を許されたほどの実力を持つ、世界最強の武道家のひとりでもあるのですが、同時に最高のブルース・リーファンでもあって、しかもブルース・リーの、格闘技世界以外の偉業も後世に伝えたいと様々な面で尽力されている方なんです。そんな中村さんが、まだ面識もなかった頃から、私のイラストを見て好評価して下さっていたそうなんです。
商品のパッケージなどで、私が描いたブルース・リーを見て、似てる!と。しかも、それだけじゃなくて、テクニック的な部分を分析をするほど興味を持って下さっていて、それを知ったときは嬉しかったですねえ。
今から思えば、実はこの企画は、私の知らないところで既にずっと以前から始まっていたのかも知れないと感じてもいます。
-ブルース・リーエンタープライズの公認イラストレーターになられた経緯はどういったものなんでしょうか。
菅原:昨年の夏にシャノンさんが来日された折、六本木で開催されたチャリティーイベント『エンター・ザ・ミュージアム』のメインビジュアルに私のイラストレーションが採用され、シャノンさんにとても気に入って頂いたことが縁でした。とても光栄に感じていますし、同時に責任の重さも感じています。
-シャノンさんが公認した公式なものとして、この画集は世界でも初めてのものだと伺っていますが。
菅原:はい。内容について、中村さんは勿論、解説を担当して下さった関誠先生や、プロデューサーのヒロ鈴木さんにもいろいろなアイディアを戴きました。絵的に見栄えのするものかどうかの判断もあってアイディアのすべてを具現化できたわけではありませんでしたけど、解りやすさはキープできたと思っています。
この商品の最大の特徴は、実在したスーパースター、或はスーパー武道家を描いた<イラストレーション>であることで、要するに<写真>ではないということです。それはつまり、これらのビジュアル内容は、事実&現実ではありません。想像が生み出した架空のビジュアルです。
もし、ブルース・リーが生きていたら、どんな新作を撮っただろうか?カメラの回っていないトレーニングルームではどんな表情を見せていたのか?そういった意味では、写真集とはまた違った存在意義を見出して頂けたら嬉しいです。たぶんこういった試みは、世界的にもあまり類を見ないと思いますから。
-実は、画集を見せていただいたのですが、非常にクールに描かれていてとても意外な感じがしました。
菅原:(笑)やっぱりそうでしょうねえ。画集というと、どうしてももっともっと現実離れしたイマジネーションの世界を思い浮かべると思います。
たとえば神々しい竜が描いてあったり、抽象的な表現がその多くを占めるようなアーティスティックなイメージの世界を。
-そうなんです。もっと菅原さんご本人の世界を炸裂させてあるのかと思っていたんです。
菅原:(爆笑!)だいたい私がそんな商品欲しくないですからね。私は私なりにブルース・リーが大好きで、でも、公式商品が<私のブルース・リー>みたいなものだったら、とても耐えられません(笑)。それでも結果的に<私のブルース・リー>になっているのかも知れませんけど、私自身は努めて冷静に描いたつもりです。
私自身は<菅原芳人の画集>というより<ブルース・リー画集>が制作したかったんです。
-今月に入って『菅原芳人計画』では<ゴジラ><ガメラ><レッドキング>と怪獣Tシャツが3着リリースされましたが、怪獣と言えばこの夏は河崎実監督の『ギララの逆襲-洞爺湖サミット危機一発』関連の商品もいくつか手掛けられていますね。
菅原:映画公開に合わせて<ギララ×河崎実>のTシャツとアロハシャツを発売しました。とくにアロハシャツは非常に秀逸な出来だと、自分でもとても気に入っています。でも、この商品企画が立ち上がる以前から、そもそもこの映画作品自体に私、関わらせて頂いていたんです。劇場でご覧になった方ならわかると思うのですが、劇中、タケ魔人の過去の回想シーンで使用された<八岐大蛇と戦うタケ魔人><平安時代に鵺と戦う鎧姿のタケ魔人>の2枚のイラストを描かせて頂きました。
たけしさんを描いたのは、以前やったDVDのジャケットのお仕事に次いでこれで2度目になります。
-苦労した点などありましたら教えてください。
菅原:たけしさんといっても、時代によって随分イメージが違いますよねえ。漫才ブームのツービートの頃、タケちゃんマンの頃、スーパージョッキーの頃、学問のススメの頃、刑事ヨロシクの頃、そして映画監督・北野武。この場合のパブリックイメージはどこにあるのかを、かなり模索しました。劇中に登場する時間は一瞬なので、理屈で描いたのでは観てる人に伝わらないわけです。
結果的に、私のイラスト制作期間としては歴代最長の<3ヶ月>もかかってしまいました(汗)。劇場で見逃した方は、是非DVDでご覧ください。
-今後のラインナップなど、リリース情報がありましたら教えてください。
菅原:はい。
9月28日に、スーパーフェスティバルで、ズバット!イベントを行なう事になりました。主演俳優の宮内洋さんと脚本家の長坂秀佳先生のトークショー&サイン会です。
それに合わせて<ズバット&ズバッカーTシャツ>と<早川健Tシャツ>、そして<仮面ライダーV3Tシャツ>の3着を新作リリースいたします。
是非、28日は科学技術館にお越し下さいませ。
--私も是非伺わせて頂きます。本日はありがとうございました。
2008.9.16.喫茶店「憩」にて/インタビュアー:山岡孝一







